かぜのすけ のブログ

「遅刻の誕生」

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遅刻の誕生―近代日本における時間意識の形成
橋本毅彦 編著、栗山茂久 編著     三元社



 本を選ぶとき、
人それぞれの思いがあって、読んでみようと手を取るのが多いのではないか。
もしくは、お勧め本を人から(あるいはネットからかも) 感想を聞いて、
読んでみようかと思うのかもしれない。
 かくいう私も、友人や知り合いから、おすすめの本を聞いて
それから興味を持った本を読むに至っている。
 この本は、私が昨年一押しの『二度寝で番茶』の中に、
掲載されている文章で、この本を読んでみようと手にすることになった。

↓↓↓↓↓↓   その文章は   ↓↓↓↓↓↓↓↓
 この律儀なオランダ人の悩みは、
実は、幕末から明治維新以降に近代日本を建設するために到来した
お雇い外国人技術者にとって、ほぼ共通の悩みであった。
彼らは、工場や建設現場で日本人労働の勤務ぶりにしばしば業を煮やしたが、
その主たる原因は彼らが、時間を守らないこと、
 まるで時計の時間とは無関係に物事が進行する日本人の仕事ぶりだった
 というのである。時間との戦いを日々迫られている現代社会において、
 その目まぐるしく動く活動の大前提となっているのは、人々が時間を守ること、
 すなわち時間規制を有していることである。我々が当然のこととして
 受けとめている時間厳守の行動様式が、明治初期には当たり前ではないどころか、
 それとはほど遠い状態にあったとするならば、それではいったい、
 明治以来このかた百数十年の間、日本人はいつ頃からどのような経緯を
 経てそのような時間規律を身につけるようになったのか。
 (橋本毅彦・栗山茂久、三元社
 『遅刻の誕生―近代日本における時間意識の形成』)

  時計が入ってきたのは、「文明開化」以降。
  それまでは、
  上記のような「時間を守らない」人たちが普通だったことに興味を持った。
  今のたいていの人は、きちんと時間を守り、電車の時刻もきっちりとしているし、
  時間厳守を普通にこなしている。

  けど、明治の始めの頃は、どうもそうではない??
  それって、なんで?? わ~おもしろそう~~~   と、読むに至った。

が、私は論述的な文章は少々苦手である。そう、論述的なのだ。
けれど、今回最後まで読みたい気持ち と もういいかな~とやめたい気持ち を
交互に起こりながら、ようやく読み終えることができた。

 確か、秋頃から読み始めて、年明けまでかかってしまったが、
 読解よりも完読したことがうれしい。

この中で、
自分が気に入った言葉や面白いなと思ったことをいくつか掲載してみようと思う。

%%%%%% 本の構成 %%%%%%%
序文
第一部   定刻志向(鉄道がもたらしたもの)
  第一章 近代日本における鉄道と時間意識          中村尚史
  第二章 千九百二十年代における鉄道の時間革命     竹村民郎
第二部   時間厳守と効率性(新労働管理の発展)
  第三章 近世の地域社会における時間             森下徹
  第四章 二つの時刻、三つの労働時間             鈴木淳
  第五章 蒲鉾から羊羹へ
        科学的管理法導入と日本人の時間規律       橋本毅彦
第三部   時間の無駄のない生活(子どもの教育と主婦の修養)
  第六章 子どもに時間厳守を教える(小学校の内と外)    西本郁子
  第七章 家庭領域への規律時間思想の浸透
        (羽仁もと子を事例として)                伊藤美登里
第四部   新暦と時計の普及(近代的タイム・フレームの形成)
  第八章 明治改暦と時間の近代化                 川和田晶子
  第九章 歳時記の時間                        長谷川櫂
  第十章 明治時代における時計の普及              内田星美
第五部   時間のゆくえ
  第十一章 農村の時間と空間(時間地理学的考察)      荒井良雄
  第十二章 「時は金なり」のなぞ                   栗山茂久
文献解題  時間を考えるための五〇の文献            橋本毅彦
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

個人的に興味深かったのは、

◎ 「蒲鉾、羊羹の表現」・・・第五章
  時間の始めと終わりの曲線があるのが「蒲鉾」で、
  時間の始めと終わりが直角になっているのが「羊羹」。
  かまぼこの曲線が、時間の無駄を示すとのこと。表現が面白かった。

 第五章は、生活改善運動と時間厳守のために、時の記念日を制定したこと、
 生活改善展覧会の開催、その後「生活改善同盟会」が設立。と時間規律のために
 力を入れていたのがわかった。すごい、力の入れようだ。

◎ 「子どもに時間厳守を教える」・・・第六章
  この章も、教育の一環で取り入れていた。
  学校では時間割。子どもが読む「少年倶楽部」の雑誌で漫画で時間管理。
  と余念がない感じ。

◎ 「家庭領域への規律時間思想の浸透(羽仁もと子を事例として)」・・・第七章
  主婦の生活習慣を見直す勧めを書いている。

  この3章では、アバウトな時間感覚しかなかった日本人に近代化を目的に
 無駄な時間を無くして発展するために、行われたようだ。
  これが、これで、時間感覚が少しずつ、近代化の西欧化の時間感覚に
 なっていったんだな~ということがわかってきた。
  けれど、その前はというと、時刻は太鼓や鐘を鳴らして知らしていたようだ。
 時計も明治では、生活消費財としては一家に一台で、貴重なものらしかった。
 今や使い捨ての時計もあるのにね。 

 明治政府が力を入れたから、感覚の変化が起こって、今に至っている。
 そうか~江戸時代では、アバウトな時間感覚で生きてたんや~と思うと
 日本人の時間きっちりは、昔からではなかった。
 
◎それとは別に、「歳時記の時間」・・・第九章
 
 今の時間は、太陽暦で行われている。以前は、太陰暦。
 このズレは、約1ヶ月ある。
 実は、忠臣蔵は今の季節でいう、1月30日頃らしいとのこと。

 この賞の中に、以下のことが書かれてて、
 今在る暮らしの中にあるのを再認識した感じだった。

 「新しい時間を受け入れたからといって
  古い時間が滅びるわけではない。
  むしろ人々はこうした共存するいくつもの時間を
  電車を乗り換えるように自在に乗り換えてきた。
  今後、さらに新しい時間が加わっても
  この国では同じことが繰り返されるだろう。」
  (本文から抜粋)

この時間に関することを読んで、
特に季節に関する言葉・・・季語や暦について興味を持ち始めている。

☆十二人の違う視点から
  「時間」について書いているのが面白かった。
  そして、何より苦手な論述的な本を読めたことにホンマに嬉しい。

遅刻の誕生―近代日本における時間意識の形成
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by naizaisurupt | 2013-01-05 09:35 | [本]のお勧め紹介 | Comments(0)
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